8.3.A 多管式の標準化と小型分割の利点

標準化の目的は、コストダウンと短納期です。
この目的のためには、従来の平滑管式ではどうにもなりません。コルゲート管熱交換器DSシリーズのみが、多管式の標準化を可能とします。
その理由の第一は、伝熱係数が平滑管式の3倍となり小型化でき、低価格となることです。
また、乱流特性がよいため流量変化幅が大きいこと、1-1 流路の単純構造であることも標準化を容易とします。
理由の第二は、「JIS B 8249」に制約されないことです。

次に、多管円筒形熱交換器は、極めて広範囲の仕様に柔軟に対応できる構造であるため、ほとんど全ての多管式は、一台、一基にて、設計製作されてきました。このため、熱交換器とは、一基でやるものという固定観念ができてしまっているかに見えます。この固定観念を打破して、小型DSに分割することでコストが下がるし、且つ広範囲の仕様も消化できるのです。またメンテもずっと容易になります。
汎用小型器DSシリーズで多管式を標準化するには、容量大の仕様では多数台の組合せが必要となります。このこと自体は欠点ではありますが、一方、小型に分割することの利点もまた大きなものがあります。

小型分割の利点

  1. 容量にかかわらず、DSを組合わせることにより、安価に製作できる。
  2. 台数制御が安価に可能となる。
    生産変動に柔軟に対応できる。夏冬での冷却水温の変化による使い分けも可能である。追加増設等、実運転での修正も容易である。
  3. メンテが容易であり、安全性も高まる。
    わずかの予備器を追加することで、いつでも運転を停止せずに、分解掃除や腐蝕チェックが可能となります。(平滑管式やプレート型では、100%の予備器を持たないと出来ない。)
  4. 短納期である。
  5. 価格低下を性能向上に振り当てることもできる。
  6. 高温流体出口温度を低温流体出口温度より下げる等、1台では不可能な設計も分割により可能となる。
  7. DSの組合せにより、 多彩な設計が設計製図作業なくして可能である。

等々の多くの利点があります。
しかし、何よりも一般機械類において見られる、量産効果によるコストダウンこそ、最大の利点です。
安い、小さい、コルゲート管熱交換器 DSシリーズの最大の利点は、高い伝熱係数と低価格による多管円筒形熱交換器の標準化にあります。



安い 小さい コルゲート管熱交換器DSシリーズ


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