6.1.@真空ポンプの選定時の注意事項 |
産業界に使われる真空ポンプの容量範囲、真空度範囲は、極めて広範囲にわたるため、こういう場合にはこのタイプと技術的に決った形がありません。
機種が異なれば、電力やユーティリティーがまるで違うのみならず、同じ機種でもメーカーにより電力差が大きい場合もあります。
このような点でも、産業用の真空ポンプの選定は、結構面倒なことではあります。
真空ポンプの実運転におけるトラブル・問題点の事例をまず列記します。真空度や容量の他に、運転を続けてるうちに時としてこういう問題を生じうることを予め考えておく必要があります。
真空ポンプのトラブル事例
腐蝕、摩耗
付着 スケール付着、凝固物付着、ポリマー付着
破損・焼き付き・シャフトの摩耗・異物カミ込み・回転不能
騒音・振動・キャビテーション
排水の汚れ、排水処理
油の劣化、廃油問題
空冷、水冷、クーラーの汚れ
省エネ、電力、スチーム
真空度低下、性能低下、漏れ
軸封の交換、軸受の交換、その他消耗部品の交換
メンテ容易性
信頼性、耐久性
多数台の統合制御(メンテ、省エネ)
このような問題は、通常はあまり起こらないものですが、運転条件と選定機種の特性が合わないと、頻発することもあります。従って、予め真空ポンプの機種の適否という観点から若干なりとも検討することが真空ポンプの理解の上でも好ましいことになります。
真空ポンプは運転条件により、最適機種が異なります。選定を誤ると、色々と不都合なことがあっても当面は我慢して使い続けなければなりません。従ってやはり、選定時に検討を加える方が何かと良いことです。