5.3.B 全チタン製真空ポンプユニット TYVT・C

主機の水環真空ポンプがチタン製が必要となる場合は、当然真空ポンプの付属機器もチタン材並みの耐蝕材が必要です。下の写真は、セパレーター、クーラー、機内配管、全てチタンで製作した真空ポンプユニットです。
これらに、空気エゼクターやスチームエゼクターを前置することも可能です。

全チタン製真空ポンプ クーラー循環ユニット

水環真空ポンプのクーラー循環ユニットにおいては、セパレーターの水面維持が必要です。これには、微量注排水方式が最も容易なのですが、チタンで製作せねばならないような強腐蝕性の物質を吸込む場合には、この微量注排水方式は濃度維持にも有効です。
5.3.A 耐蝕材、耐蝕表のように濃度が小さい場合には、耐蝕性が期待できる場合が多々あります。
吸込ガスに同伴される腐蝕性ガス量は、重量で表示すれば小さいことが多いものです。それに対して、濃度を維持できるだけの水を注水することによって(当然それだけ排水されます)、水面維持が可能と同時に濃度維持も可能となります。
上の写真では、セパレーターも配管もチタン製です。しかし、これらはエンジニアリングプラスチックスを使うことも可能です。上記写真でのバルブは、そういうエンプラを使用しています。
上記写真のクーラーはコルゲート管熱交換器で、詳細は第8章を御参照下さい。
コルゲート管熱交換器DSシリーズの利点は、小型であることと同時に、全チタン製の熱交換器が安価に、且つ短納期で製作出来ることでもあります。但し、伝熱管の厚みがt0.3(TR270)で、より厚肉のものを必要とする場合には、他の熱交換器、プレート型や直管での多管式等が必要となります。その場合は、相当に高価となります。
最後に、全チタン製ユニットは、ステンレスよりはかなり高価ですが、ハステロイ製よりは安価です。耐蝕性ではハステロイに匹敵するほどなのですが。一方ポンプ周辺もハステロイとするのは相当高価となり、或いは困難であり、代案即ちチタン製を活用すべきです。






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