5.1.D 耐蝕・耐酸連段真空ポンプ

スチームエゼクターと水環真空ポンプを連段構成とする真空ポンプジェットリングJR,JRDは、全て化学、薬品、食品工業向けです。ジェットリングのこれまでの納入実績での材質を分類しますと、約70%が全ステンレス製です。10%がハステロイ、チタン、カーボンなどの最高耐蝕材製です。残り20%が要部SUS製で、普通材質製はほとんどありません。
ジェットリングは、耐蝕真空ポンプの代名詞の如き存在です。
JRの守備範囲は、大気圧の1/1000〜1/10で、0.1〜10kPaA、0.75〜75Torr、の圧力範囲は、化学薬品工業に丁度合致する真空度でもあります。
特に、高真空低圧となるほどガスの種類が多くなるようで(引き切り操作等)、腐蝕性成分の種類も多くなるようです。蟻酸、酢酸等の脂肪酸や腐蝕性を持つ溶剤等、腐蝕性ガス、酸性ガスが同伴される場合が増えてきます。
ジェットリングの特徴として、普通材質製の価格に比べて全SUS製の価格アップは少ないと言う利点があり、弱い腐蝕性の場合でも全ステンレス製とされることも多いようです。
強酸、ハロゲン化物、特に塩化物、塩酸(HCl)、フッ酸(HF)含みの事例も多く、これら強酸の場合、ハステロイやカーボン等の最高耐蝕材を使わざるを得ないこととなりますが、連段排気装置全て、機内配管までも含めてハステロイ製とすると相当高価になるため、後段の水環真空ポンプ系はNaOH水で中和運転できるようにして、真空ポンプ系は、SUS316/SCS14 で可能とし、全体で価格を抑えるようにしています。





















  ハステロイ製 直結型 ジェットリング

   JRD−2STJ+TYV・C

   真空ポンプ系は、中和運転によりSUS316製

   5〜15Torr用




  ハステロイ製
  空気エゼクター2段+水環真空ポンプ

  50BET+65BET+SKH662T・C

  ファインケミカル用万能機 耐強酸ガス用
  夜間はボイラー停止のためスチームエゼクターは使えず、空気エゼクターで計画。
  真空ポンプは大きくなる。真空ポンプ系は、NaOH水運転により全SUS316, SCS14製


































   カーボン製 直結型 ジェットリング

   50JRD−2STJ+50TYV・C

   吸込ガス: HCl、SO2含む Air、有機ガス
           3m3/min × 1Torr

   真空ポンプ系は、中和運転によりSUS316製



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