5.1.C 耐蝕・耐酸真空ポンプ |
化学工業、薬品工業では、腐蝕性ガス、特に酸性ガスを吸い込む真空ポンプの用途は多々存在します。食品工業では、やや意味は異なりますが、やはり錆を嫌う等のためにステンレス製を必要とする場合があります。食品工業では、内部プロセス側のみならず、外部もステンレス製を必要とする場合もあります。
機械的真空ポンプのほとんどの機種では、普通材質、即ち全鉄製でしか製作不可能ですが、水環真空ポンプでは、耐蝕材でも製作可能です。
水環真空ポンプ汎用標準品SKシリーズ、GPシリーズは、全機種ステンレス
SUS304/SCS13, SUS316/SCS14 で製作可能です。また、凝縮型水環真空ポンプTYVは、ステンレス製のみを製作しています。
更に叶環技研では、最高耐蝕材のハステロイやチタンでも製作可能です。チタンに関しては、鋳造不可能で全て溶接で製作しなければならないために、ポンプ構造を溶接構造に新しく設計変更してチタン製の真空ポンプを製作しています。
尚、(株)水環技研で製作する耐食真空ポンプの耐食材は、全てムクの材料です。メッキやライニング手法は一切用いていません。メッキやライニング手法は、回転機械では小さな傷の発生でも大きな事故につながる危険性がある上に、製作工程の複雑さからあまり安くはできないからです。基本的な方針として、ムクの素材使用で製作する方がはるかに信頼性が高いと考えています。
ハステロイ製水環真空ポンプ
70〜760Torr用
塩酸(HCl)、フッ酸(HF)等 強酸性ガスを含むガス
チタン製水環真空ポンプ
60〜760Torr用
湿塩素ガス(wet Cl2)用
チタンは鋳造困難のため、溶接で製作せねばならない。
このために、ポンプ構造をチタン溶接可能なように新しく開発したものです。