4.2.@エゼクターの作動原理

  空気エゼクターとスチームエゼクター


エゼクターは、簡単な構造で昇圧が可能です。
右図において高圧の駆動ガスを末広ノズルより噴射させると、
低圧超音速流となり、吸込ガスを吸込みます。
両方のガスはディフューザーの前半部で混合し、後半部では
速度を減じて昇圧しつつ吐出口に向かいます。
エゼクターはこのように簡単な構造で運動部分がないために、
機械的真空ポンプとは比較にならぬ 耐久性・信頼性を持って
います。
駆動ガスを大気とするのが空気エゼクター(AE)です。
駆動ガスを高圧スチームとするのが、スチームエゼクター(SE)です。
更に、駆動ガスを高圧水とするのが、水エゼクターです。
工業用真空ポンプとしてのエゼクターは、この3種類があります。


空気エゼクター(AE)とスチームエゼクター(SE)
空気エゼクター(AE)とスチームエゼクター(SE)とでは、駆動ガスの違いからエゼクターの後ろの形が異なります。
空気エゼクターの後ろは真空ポンプであり、スチームエゼクターの後ろはコンデンサーです。
AEとSEの違いを理解して頂くために、下図の(a)〜(d)で、AEとSEとでガスの圧力と重量の関係を示します。(容積量ではありません)
(a) エゼクター
エゼクターは作動原理上、駆動ガスは吸込ガスの数倍の圧力、数倍の重量が共に必要です。
(b) 空気エゼクター
空気エゼクターでは、後ろの真空ポンプは空気エゼクターの吸込ガスと駆動空気の両方を吸い込める容量が必要です。
(c) SE,JR装置
スチームエゼクターでは、駆動スチームの大半をコンデンサーで凝縮させることによって、コンデンサーの後ろの真空ポンプを小さくできます。これがジェットリング JRです。
(d) SE+TYV,JRD
直結型ジェットリングJRDでは、真空ポンプに凝縮型水環真空ポンプTYVを使うことにより、インペラー内吸込直前で駆動スチームの大半を凝縮させてしまうことにより、やはりポンプを小さくできます。



空気エゼクターとスチームエゼクターの
ガスの圧力と重量の関係

線の幅は、ガスの重量を表す



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