7.2 A 乾き塩素ガス用ステンレス製水環圧縮機 TYL |
濃硫酸運転
乾き塩素ガスは、腐蝕性が弱いことから、食塩電解プロセスでは、硫酸による乾燥塔に通してから、圧縮機で昇圧します。この塩素圧縮機は、従来98%濃硫酸を作動液とする2作動内気口型の液封式圧縮機が用いられてきました。しかし、材質がミーハナイト鋳鉄製で、わずかの腐蝕でも性能低下が大きい等々、欠点がありました。
(株)水環技研は、先に開発した1作動側気口型のステンレス製水環圧縮機TYシリーズで御好評を得てきました。詳しくは総合型録を御参照下さい。
乾き塩素ガス用ステンレス製水環圧縮機TYLは、このTYシリーズを硫酸運転による塩素ガス圧縮用に改良したもので、従来型に比べて
1、高性能で20〜30%の省電力
2、インバーター制御を可能にして、更に節電
3、ステンレス製の耐蝕性で、安価
4、騒音低下
の長所を持ちます。
Dry Cl2用、H2SO4運転
ステンレス製水環圧縮機 125TYL
吸込量 10m3/min モーター 55kW
吸込圧 大気圧 吐出圧 0.2MPaG
濃硫酸運転
フローシート例
この濃硫酸運転フローで乾き塩酸ガスHCl の圧縮も可能です。
乾き塩素ガスを濃硫酸で運転する液封式圧縮機は、食塩電解プロセスでは古くから使われてきました。
しかしながら、現在日本で稼動しているこの機種のほとんどは、前述のように旧式の2作動内気口型であり、しかも耐酸ミーハナイト製、即ち鋳鉄製がです。
このため硫酸濃度がほんの少し薄まるとか、運転温度が少し高くなるとかすれば、たちどころに腐蝕し、しかも旧2作動内気口型は腐蝕による性能低下が大きく、これらの点で御需要家の間では不満も大きいものでした。
水環技研の開発したTYLシリーズは、これとは全く違って1作動側気口型であり、しかもステンレス製SCS14/SUS316製であり、ポンプ本体の寿命、メカシの寿命、固着回転不能の有無等で全く別の機種の如く耐久性が向上しています。この違いの詳細は、7.2
D 1作動型水環圧縮機TYシリーズの旧2作動型に対する長所 を御覧下さい。