7.1 B 第3のコンプレッサー:水環圧縮機 |
水環圧縮機は水でガスを圧縮する単純構造、部品数小のために、レシプロ、スクリュウに比べて以下のように圧倒的な長所を持っています。
一般的に知られているレシプロ、スクリュウは、単純空気用であって潤滑油接触型のものです。従って、単純空気以外のガスの用途には、使えません。
化学工業用に於いて、単純空気以外のガスの圧縮に関しては、潤滑油をガスに接触させないタイプもあるようです。これらの単純空気以外のガス用、プロセス用としてのレシプロ、スクリュウを想定して水環圧縮機と比較します。
機種比較(単純空気以外の場合):化学工業用途
項目 | レシプロ | スクリュウ | 水環圧縮機 | |||
作動原理 | 往復動 容積型 | 回転二軸 容積型 | 回転水還流 容積型 | |||
部品数 消耗部品 |
多い・大きい・重い 多い・高価 |
少ない 少ない |
最小・小さい 最小 |
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摺動部・運動部 液・タール・ダスト等の同伴 |
プストンリング、弁系 × |
なし △ |
なし 〇 |
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耐蝕材 腐蝕による性能低下 |
不可 大 |
不可 大 |
標準ステンレス チタン・ハステロイも可能 小 |
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軸封 | グランドパッキン往復動 洩れ大 洩れガス処理必要 |
グランドパッキン他 洩れ大、個所多い 洩れ処理必要 |
メカニカルシールで水をシール ガスは完全洩れ止め クエンチ・ダブルメカも可能 |
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騒音 騒音対策 |
低周波音大 防音室必要 |
高周波音極めて大 消音箱必要 |
高周波音小さい 不要 |
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振動・脈動 | 大 | 小 | 小 | |||
圧縮による温度上昇 クーラー |
高温 アフタークーラー要 水冷ジャケット要 |
高温 アフタークーラー要 水冷ジャケット要 |
低温圧縮 循環水クーラー要 不要 |
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予備機(1年間連続時) | 必要 | ある方が良い | ほとんど不要 | |||
オーバーホール期間 | 1年 | 1年 | 1〜10年 | |||
メンテナンス費 | 交換部品多い 交換作業費大 |
交換部品やや少ない メンテ契約要 |
交換部品ほとんどない 作業費小 |
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価格・初期設備費 | 大 | 大 | 小 | |||
年間メンテ費/設備費 | 20%程度 | 10%程度 | 3%程度 | |||
効率 所要電力 A×B |
A | 大型 中型 小型 |
◎ 〇 △ |
◎ 〇 × |
〇 〇 〇 |
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B | 運転条件 | 容易 過酷 |
〇 × |
〇 × |
〇 〇 |